エフェクチュエーションとは
エフェクチュエーション(Effectuation)という言葉をご存知ですか?
これは、米国発の起業方法を示す言葉で、日経の記事によりますと日本でも広がりを見せているようです。日経の記事では
手持ちのスキルですぐに始められる事業を立ち上げ、その後に経営方針を柔軟に変えていく。
ターゲットの市場を定め、逆算して事業計画を練る従来手法とは対照的なアプローチだ。
と書かれています。補足しますと、エフェクチュエーション」という用語は、バージニア大学Darden経営大学院のSaras Sarasvathy教授によって提唱された概念で、さまざまな業界の非常に成功した企業の創業者27人にインタビューを基にしており、彼らの成功を導いた行動パターンを分析し、起業家精神における問題解決の手法として体系化したものです。
エフェクチュエーションの概念についてより詳しく解説した日本語でのBlog記事があったのでご紹介します。
https://blog.btrax.com/jp/effectuation/
Sarasvathy教授が提唱するEffectuationは、最初にゴールを設定するのではなく、今ある手段から新しい可能性を創造していくアプローチと説明している。
不確実な世界においてはCausationのような因果的推論アプローチは機能せず、あえてゴールは設定せず今ある手段を利用して行動していく中で新しいゴールを発見していくという考え方である。
要するに、エフェクチュエーションは、変化の速度が加速し、現在の不確実性が高く未来を予測することが極めて難しい経営環境において、手持ちのリソースから出発し、許容可能な損失を考慮に入れることを含む事業立ち上げのアプローチです。
エフェクチュエーションの論文の原文PDF
Effectuation: Elements of Entrepreneurial Expertise
Tag: Entrepreneurship、Cognitive Science、Behavioral Economics